ADHDグレーゾーンが銀行員になった結果②

3週間の研修の後、1店舗目は地元の小さな支店に配属されました。

男性支店長と、ものすごく仕事ができそうで美人でしかも性格の良さそうな女性上司、2人の先輩行員、女性パート数名の職場。

配属されて最初にあいさつしたときは「仕事できそうだね」と言われました。見た目はできる人風なんです・・・( ;∀;)

最初の方は税金の支払いや入出金など簡単な手続きをする窓口に立ったり、その後ろで手続きの事務手伝いなどをしていました。

要は入行した新米銀行員が一番最初にやるカンッタンなお仕事です。

初めは右も左もわからないので先輩やパートさんが優しく教えてくれるのですが、なにせ私は物覚えが激悪だったのでなかなか覚えられず、だんだんと周囲の見る目が変わってくるのがわかります。

あれ?この子もしかして仕事できない子・・・?

最初は優しかった周りの人たち。だんだんと私が質問する度、失敗する度にため息をつかれるようになり、どうしたらいいかわかりませんでした。

取れるときにメモは取っていたのですが、とにかく間髪入れずお客さまが来るので物理的にその時メモする時間がなく後で書こうとしても覚えていないのと、運良く取れたとしてもわかりやすく書く能力がなさ過ぎて、後から自分で見て何を書いているのか全く分からずあまり役に立ちませんでした・・・。

自分なりに試行錯誤し、入出金などの初歩中の初歩的なことが一応できるようになりました(それでも金額訂正や領収書、おつりの返し忘れは日常茶飯事)

が、今度はカードや通帳の喪失、再発行、相続の手続きなどちょっとイレギュラーなものもやらなければならなくなり、一つ一つの処理が私にとっては複雑すぎていつも頭の中がぐちゃぐちゃでした。

配属されて8か月ほどたった時、カードを無くしたので再発行してほしいというお客さまが来て「うわやばいできるかな」と思いつつなんとか処理をして最終確認してもらうために女性上司のところに手続き書類を持っていきました。

すると、「ねえ、なんでこれにこんなに時間かかるの?もう何回もやったよね??」と呆れたように言われてしまいました。

一応お伝えしておきますがこの上司は本当にまともでみんなに慕われている優しい上司です。

時間がかかっている自覚はありましたが、その時の自分にはそれが精いっぱいだったので上司に言われた一言はショックだったのと同時に「あ、やっぱり私おかしいんだ」と思うきっかけになりました。

当然同期で入った子はこの頃にはみんなイレギュラーな処理ができるようになっていました。

ある日、朝営業室に入って上司にあいさつすると呼び止められ、「〇〇さん、なにか悩んでることがあるの?ミスも多すぎるしなんか変な行動が多くて心配で・・」と本気で心配されてしまいました。

私は業務中のミスだけでなく、頼まれたものを金庫に持って入ったのにそのままなぜか持って出てきたり、朝ロッカーで制服に着替えて営業室に入るのですがベストとリボンをつけ忘れてシャツとスカートだけで入っていったり、無意識に様々な奇行を繰り返していました。

その時は結局何も言えませんでしたが、上司はとても心配して私だけ朝何でも質問していい時間をわざわざ設けてくれたり、何度か飲みに連れて行ってくれたりもしました。

しかし、数か月後に私はもっと大きな支店への転勤が決まります。

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